若く生きる心のありよう

不安や悩みや苦しみがなく、健康で心穏やかに、 毎日を生き生きと過ごすには、それを支えるしっかりとした心のありよう、心構えが必要です。

また、長生きには生涯を通じて付き合える友人を持つことも大切で、 良好な関係を維持していくための関わり方も大事です。

心のありようには、自分自身と他人に対するものとの二つが大事です。 人生を豊かに生きるための、その心の持ちようを探ってみましょう。

心の若さは気の持ちよう

最初に自分自身の心のありようを見てみましょう。 健康で長生きするための心の持ちようを探るには、経験豊かな先人達に学ぶのがよいだろう。

経営の神様と言われた松下幸之助も晩年になり、 肉体な衰えや気分的にも老いを感じ、よる年波に苦悶していたようです。

彼は古希の祝いに知人よりサミエル・ウルマン氏の青春の詩をプレゼントされ、 その詩に深い感銘を受け自らそれを要約した詩を座右の銘にしている。

そして松下幸之助は85才の時、著書の中で次のように話している。

心の若さは気の持ちようであり、それは必ず表に現われます。 つまり、つねに前へ進む気力さえ失わなければ、 若さはいつも向こうからついてくる、というのが私の信念です。

「経営のコツここなりと気づいた価値は百万両」より引用

「心の若さは気の持ちようである」との信念を持ち、 80才で会長職を辞するまで第一線で会社の経営に携わり、生涯その信念は変わりませんでした。

松下幸之助の生涯現役を貫くこの信条は、 ややもすると惰性的になってしまいがちな若い私達を、鼓舞激励してくれるものではないでしょうか。

人との関わり方

次に人との関わり方について心のありようを見てみましょう。 生涯に渡って良い人間関係を保つための、心の持ちようとはどんなものなのでしょうか。

友人が多くいて、家族仲も良好な人は、健康で元気に長生きしてることが多いものです。 長生きに孤独は危険です。特に高齢者には。

ダン・ベットナーも「ブルーゾーン」の公演の中で「孤独は死への早道」と話してます。 生涯を通じて付き合える友達が5人いれば幸せです。

人間、人とあって話している時はある程度気を張って、活性化した状態にあります。 適度な気張りは心身両面での若々しさの維持につながります。

しかし良好な人間関係を生涯に渡って維持するのは難しいもの。 今ある人間関係を切ってしまわない為に心がけたいのが、「争わないこと」です。

物事に関する価値観は人それぞれです。 多少の意見の相違や主義主張の違いは大概時間が解決してくれます。

一時の感情で喧嘩別れなどにならないよう、おおらかな気持ちでいることです。 争わない事とは、ありのままの相手を受け入れる事でもあります。

引退後は人との付き合いも少なくなりがちです。 趣味や習い事、ネットコミュニティなど友人を作る場を活用し、人との関わりを多くしましょう。

新たな友人を作るのに不可欠なのは、向上心と好奇心です。 挑戦する心の持ちようが人間関係にも重要ではないでしょうか。

青春の詩

松下幸之助やマッカーサー元帥も心の拠り所とした、 米国の作詩家サミエル・ウルマン氏の「青春の詩」の訳文をご紹介します。

青春とは人生のある期間をいうのではなく、 心の様相をいうのだ。

すぐれた創造力、たくましき意志、 炎ゆる情熱怯懦をしりぞける勇猛心、 安易をふりすてる冒険心こういう様相を青春というのだ。 年を重ねただけで人は老いない。

理想を失うときにはじめて老いがくる。 歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。 苦悶や、狐疑や、不安、恐怖、失望、こういうものこそ、 あたかも長年月のごとく人を老いさせ、 精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。

年は七十であろうと十六であろうと、 その胸中に抱き得るものはなにか。 いわく驚異への愛慕心、空にきらめく星辰、 その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰、 事に処する剛毅な挑戦、 小児のごとく求めてやまぬ探求心、 人生への歓喜と興味。

人は信念とともに若く、疑惑とともに老ゆる。 人は自信とともに若く、恐怖とともに老ゆる。 希望ある限り若く、失望とともに老い朽ちる。

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、 そして偉力の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。 これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までもおおいつくし、 皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば、 この時にこそ人はまったくに老いて、 神の憐れみを乞うるほかはなくなる。

「新青春の会」岡田義夫訳「青春の詩」より引用

まさにこの詩の中にこそ長生きの最大の秘訣があるように思われます。 「理想を失うときにはじめて老いがくる」は、心に触れるフレーズですね。

全文は難しいでしょうが、自分の気に入った部分があれば、 事あるごとにそのフレーズを暗唱してみてはいかがでしょう。

心穏やかに生きる

人は年を重ねるにつれ経験は増すが、情熱はそれに反比例して冷めていく。 少なくとも中高生時代は今よりも好奇心や夢や希望があったと思います。

思春期の悩みはあったものの、毎日がきらめいてチャレンジすることに それほど抵抗はなかった。しかし年を重ねた今はどうだろうか。

加齢による体力低下や諦め、退職後の生きがいや充実感の喪失、経済的な原因による将来への不安。 そんな悲観的な気持ちで溢れていないだろうか。

青春の詩は、そんな自分を甦らせるカンフル剤のようなものだ。 人は心の持ちようで人生を豊かに生きれることを教示してくれている。

常に夢と希望を持ち、ポジティブな情熱で諦めることなく日々を送れば、 苦悶や、狐疑や、不安、恐怖、失望といった事は消し飛ぶことでしょう。

この青春の詩には、安心立命に生きるための、心のありようが凝縮されている気がする。 心穏やかに生きることこそ、長生きの秘訣でもある。