ウォーキングで生活習慣病を予防する

健康長寿のための運動の秘訣は、日常生活の中に運動を取り入れていくことでした。 長生きのために筋トレをする必要はなかったのです。

身体への負担が激しい運動は辛く長続きせず、むしろ逆効果となりかねません。 そういった意味で一番お手軽かつ効果的なのがウォーキングです。

生活習慣病の予防や改善にも効果があるといわれる「歩き」について、 ウォーキングの効果やそのやり方について具体的に探ってみましょう。

ウォーキングと長寿遺伝子の関係

長寿遺伝子とは、サーチュインという酵素をつくる働きをもった遺伝子で、 体内の細胞の損傷を防いだりし、生物の寿命に関与しているものです。

また、アルツハイマー病や動脈硬化、心不全、糖尿病、肥満などのほか、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、 筋肉減少症などにも効果があるという。

この長寿遺伝子は誰にでもあるもので、2003年に米国にあるマサチューセッツ工科大学の レオナルド・ガレンテ博士によって発見されました。

私達、生活習慣病に悩む現代人にとっては、まさに救世主的遺伝子である。 しかしこの遺伝子、通常は眠ったままで活動していないようだ。

長寿遺伝子のスイッチを入れる

この長寿遺伝子の効果にあやかるには、この遺伝子を活性化させる必要がある。 長寿遺伝子のスイッチを入れるには、次の3つの方法があります。

  1. 摂取カロリーを約70%に制限する
  2. レスベラトロールを摂取する
  3. 中強度の運動を20分ほど継続する

※(レスベラトロールとは赤ワイン等に含まれるポリフェノールの一種)

飽食に慣れた私達には、質素な食事を腹八分に抑える事は難しく、逆に健康を害する恐れがある。 Cannonauを多く飲むことも難しい。

私達が無理なく効果的に長寿遺伝子を活性化する方法が、 「中強度の運動を20分ほど継続する」事です。 その具体的な方法がウォーキングなのです。

生活習慣病を予防する黄金律

1日20分程度の中強度の運動で長寿遺伝子が活性化する事は、 2012年にスウェーデンのカロリンスカ研究所の臨床結果から判明しました。

この事は日本の中之条研究で似たような結果で出ています。 中之条研究とは東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利氏が行った追跡調査です。

群馬県中之条町に住む65 歳以上の全住民5000人がモニターとなり、 身体活動と病気予防の関係について調査したのです。

調査は1日24時間365日の生活行動データを15年にわたって収集・分析されました。 この研究は海外でも「中之条の奇跡」と賞賛評価される程でした。

その15年にわたる臨床結果から導きだされた病気予防の黄金率が、「8000歩/20分」のウォーキングです。 20分は中強度の運動を意味します。

病気の発症率が低下

この研究から、8,000歩20分の中強度の運動を行った人達は、身体活動の低い人と比べて 様々な病気の発症率に大きな差が認められたのです。

うつ病、認知症、心疾患、脳卒中、癌、動脈硬化、骨粗しょう症、 高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症率が圧倒的に低いことが分かったのです。

長寿遺伝子にスイッチを入るには、中強度の運動を20分を2ヶ月続ける必要があります。 そして2ヶ月休むとOFFになるので継続する事が大切です。

病気予防に効果的なウォーキングのやり方

長寿遺伝子のスイッチをONにして、病気予防に効果的な歩き方とは。

まず1日に「8000歩/20分」の運動を目標にします。 「8000歩/20分」とは一日の歩数が8000歩で中強度の運動時間が20分ということです。

8000歩は通勤や仕事、家事等の歩数と中強度の運動の歩数を含めた1日の総歩数です。 中強度の運動量とは「何とか会話ができるくらいの速さ」です。

中強度の歩き方

中強度の歩きがどの程度かは人によって異なります。 「何とか会話ができるくらいの速さ」がピンとこない人は歩行強度計を利用するとよいでしょう。

テルモの「メディウォーク」は歩数計や加速度センサーを備え、中強度になると赤い表示で知らせてくれ、 中強度で歩いた時間もわかります。

メディウォークは90日分のデータを自動記録し、パソコンにも取り込むことができますので、 自分の体脂肪率や体重などの推移と比較してみましょう。

あくまでも自分の体力や健康状態に合わせて、無理をしないで「8000歩/20分」を続けることです。 継続こそが長生きの秘訣でもあります。